暴行と傷害の違いは?

最近テレビでは日馬富士の「暴行事件」ばかりやっていますが、傷害と暴行の区別がよくできていない人がけっこういるようです。

まず傷害ですが、刑法第204条で、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」とあります。

ここでいう傷害とは、判例で「他人の身体に対する暴行により生活機能の毀損すなわち健康状態の不良な変更を惹起することをいい、毛髪の切断・剃去は障害に当たらない。」とあり、要はケガなり病気をさせることを傷害といいます。

一方、暴行は刑法第208条で「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料に処する、」とあり、ここでいう暴行とは「人の身体に対する不法な攻撃方法の一切をいい、その性質上傷害の結果を惹起すべきものであることを要せず、着衣をつかみ引っ張るなどは暴行に当たる。」(判例)との言葉どおり、暴力を振るったもののケガがなければ「暴行罪」ということになります。

「暴行」の概念については公務執行妨害などでは別の概念も出てきたりしますが、一般的には上記のとおり、「ケガがあるかないか?」が一つの判断基準になります。

事情はどうあれ横綱が暴力を振るうのはいただけませんが、貴乃花親方は警察に被害届を出すことで、事実関係がうやむやにされないように手を打ったというところでしょうか。

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